温度・温湿度ロガーの選び方

           用途に最適な機種選択のために

1. 温度範囲による選択

温度ロガーは、下記の例のような、食品、医療、産業機械、生産加工、素材開発、電子部品、農業、理化学研究など多岐にわたる用途で活用できます。
小型のデバイスを使用し、自動で時間変動データが記録作成できるため、手動で記録するような効率の悪い作業から解放されます。
また、例えばセンサーを固有のシステムに接続するといった手間や費用が発生する方法とは異なり、フレキシブルな運用ができます。

  • 品の輸送、保管での品質を維持するための温度管理
  • 殺菌、滅菌工程での温度管理や証拠記録
  • ワクチンや医薬品の輸送、保管での品質を維持するための温度管理
  • 高温で作動する器械のモニタリング
  • 加熱製造ラインの温度制御
  • 断熱素材の性能評価
  • 新しい素材の耐熱性、耐寒性評価
  • 電子部品、バッテリーなどの高温や低温での動作確認
  • 温室など農業施設での温度管理
  • 気象研究での自然環境の長期間モニタリング
  • 様々な温度条件下での動植物や化学物質の挙動研究

低温の記録性能は、下記の例のような-80℃、-200℃まで必要な用途以外は、-30℃までの全て機種が対応できます。

  • バイオサンプル、mRNAワクチンなどの輸送、保存の温度管理や、冷凍保管試験
  • 臓器、幹細胞、血漿などの輸送、保存の温度管理
  • 炭素鋼など鉄鋼素材の低温脆性試験
  • 液化天然ガスの輸送、保存の温度管理
  • エチレンの分離、メタンや窒素の液化、人造ゴムなど低温などクライオジェニクス(低温工学)での温度管理

一方、高温の記録性能は、下記の例のような125℃、250℃まで必要な用途以外は、65℃までの全ての機種が対応できます。

  • エンジン、産業用機器など高温で作動する、高熱を発生する機器の温度管理
  • 恒温乾燥器などの温度管理
  • 加熱調理食品や樹脂成型などの製造ラインや装置の温度制御
  • 新しい素材や化合物の耐熱性試験
  • オートクレーブ滅菌の温度管理と証拠記録

以上の必要な温度性能により、製品のラインアップから選択ができます。

参考: 温度範囲と用途

2. 湿度記録の有無による選択

温度範囲が-40℃から125℃、防水性が不要で下記のような湿度の記録も必要な場合は、温湿度ロガーから選択できます。

  • 食料品倉庫やワインセラーなどの温湿度管理
  • 湿度が影響する医薬品の保管、輸送の温湿度管理
  • 湿度に敏感な商品の保管、輸送の温湿度管理
  • HVAC(暖房、換気、空調)システムの温湿度管理
  • 温室、農作物の貯蔵の温湿度管理
  • 博物館の収蔵品、美術品の温湿度管理
  • サーバールームの温湿度管理
  • 気象、農業などの研究での温湿度記録

3. 防水性、モニター監視の有無による選択

温度ロガーに防水性が必要か?温度ロガー・温湿度ロガーに大型のLCD表示や音声アラームでのモニター監視が必要か?といった要素で機種の絞り込みが完了します。
※各機種の基本仕様と用途への対応は下表を参照してください。

表 温度・温湿度ロガーの要求仕様と用途対応