アルコールチェッカーの数値表の見方は?0.15mg/Lはどれくらいの酔い具合?
2023年12月の道路交通法の改正によりアルコールチェッカーの使用義務化が拡大しました。これを機に初めてアルコールチェッカーを使い始めたという方も多いのではないでしょうか。 日々の業務や運転前のチェックとして使っている中で、「数値の基準は知っているけれど、実際どのくらい酔っているのかイメージしづらい」「数値表の見方がいまいちピンとこない」と感じている方も多いかもしれません。 この記事では、アルコールチェッカーの数値の見方や、その数値がどのような酔いの状態を示しているのかをわかりやすく解説します。
アルコールチェッカーの数値はどう読む?:測定値の指標
アルコールチェッカーの測定値は、おもに呼気を基準とした測定方法と血液を基準とした測定方法による2種類の指標で表されます。呼気を測定する指標がBrAC、血液を測定する指標がBACです。

1. BrAC(呼気中アルコール濃度:mg/L)
BrAC(Breath Alcohol Concentration)とは、呼気1リットル中に含まれるアルコールの質量をミリグラム単位(mg/L)で示した指標です。日本では飲酒運転の取り締まりや日常的なチェックに呼気の測定方法とこれに対応するBrACが法律上の基準として採用されています。
2. BAC(血中アルコール濃度:%)
BAC(Blood Alcohol Concentration)とは、血液100ミリリットル中に含まれるアルコールの量を百分率(%)で示した指標です。血液を採取して測定する方法で得られ、国際的な基準として使用されています。
どうして2つの指標があるの?
血中アルコール濃度を測定する方法と呼気中アルコール濃度を測定する方法には、それぞれメリット・デメリットがあります。血液の測定は一般的に呼気の測定よりも正確性が高いとされますが、採血や専用の検査設備が必要なため迅速な対応が難しい場合もあります。 一方、呼気の測定は血液の測定よりも簡易性や迅速性に優れ現場で短時間に多数の人を検査できます。
それぞれ一長一短ありますが日本では取り締まりや日常的なチェックには呼気測定が多く採用されています。
血中アルコール濃度(BAC)と呼気中アルコール濃度(BrAC)の関係
血中アルコール濃度(BAC)と呼気中アルコール濃度(BrAC)は、一般的に一定の比率で換算されます。 通常、血液中のアルコール濃度は呼気中のアルコール濃度の約2,100倍とされています(血液呼気比(BBR) 2100:1)。 これは、血中アルコール濃度 0.03% BAC が、呼気中アルコール濃度 約0.15mg/L に相当すると換算されることを意味します。つまり、血中アルコール濃度(%BAC)の数値をおおよそ5倍すると、日本の基準で使われる呼気中アルコール濃度(mg/L表示)の数値になるという関係です。
ただし、個人の体質や測定環境によって変動があるため、換算値はあくまで目安となります。各国の法的基準やアルコール検知器の仕様に基づいて、正確な測定を行うことが重要です。

血中アルコール濃度と酔いの状態
血中アルコール濃度が上昇すると、酔いの症状も段階的に変化します。以下の表は飲酒量による血中アルコール濃度の目安です。
血中アルコール濃度(%) | 酔いの状態 | 主な症状 | 飲酒量の目安 |
---|---|---|---|
0.02~0.04% | 爽快期 | さわやかな気分、皮膚が赤くなる、陽気になる | ビール中瓶 1本 / 日本酒 1合 / ウイスキー シングル2杯 |
0.05~0.10% | ほろ酔い期 | 手の動きが活発になる、理性が低下、体温上昇 | ビール中瓶 1~2本 / 日本酒1~2合 / ウイスキー シングル3杯 |
0.11~0.15% | 酩酊初期 | 大声を出す、怒りっぽくなる、立てばふらつく | ビール中瓶 3本 / 日本酒 3合 / ウイスキー ダブル3杯 |
0.16~0.30% | 酩酊期 | 千鳥足、同じ話を繰り返す、吐き気・嘔吐 | ビール中瓶 4~6本 / 日本酒 4~6合 / ウイスキー ダブル5杯 |
酒気帯び運転・酒酔い運転の罰則は?
数値と酔い加減の関係が分かったところで、法律上どのような罰則があるか確認しましょう。日本の道路交通法では、呼気中アルコール濃度が 0.15mg/L 以上であれば取り締まりの対象となり、 0.25mg/L 以上になるとさらに重い罰則が適用されます。
呼気中アルコール濃度(mg/L) | 分類 | 罰則 |
---|---|---|
0.15mg/L以上 0.25mg/L未満 | 酒気帯び運転 | 基礎点数: 13点 / 免許停止90日 |
0.25mg/L以上 | 重度の酒気帯び運転 | 基礎点数: 25点 / 免許取消(欠格期間2年) |
アルコールの影響により正常な運転ができない状態 | 酒酔い運転 | 基礎点数: 35点 / 免許取消(欠格期間3年) |
ただし基準値をオーバーしていないから運転をしていいということではありません。飲酒後は絶対に運転をしてはいけません。疑わしいときは運転を控えることが大切です。
(引用: 警視庁 – 飲酒運転の罰則等)
まとめ
アルコールチェッカーを使うことで、自分の状態を客観的に知ることができ、安全への意識も高まります。数値だけにとらわれず、体調や飲酒量、そして運転するかどうかの判断には常に慎重さが求められます。大切なのは、自分自身と周囲の安全を守ること。迷ったときは無理をせず、冷静な判断を心がけましょう。