環境温度の影響を自動補正する体温監視装置のおすすめ

はじめに

新型感染症が流行っていたころ、医療機関、公共施設、商業施設、飲食店などの入り口に、サーマルカメラや額の温度を自動で測る機器が置かれていました。
現在、医療機関や介護施設以外では撤去されていたり、置いたまま使用されていない状態になっている様子が見られます。
しかし、インフルエンザのように新型感染症は定在化し、再び必要になる可能性が高いと思われます。
当時、必要に迫られてとりあえず安価な製品を設置された方も多いと思われますが、改めて追加、置き換えをお考えの時の一助になるよう、十分な認知が得られていなかった製品の紹介をさせていただきます。

環境温度自動補正

寒い時期、低い体温が表示された経験をされた方も多いと思います。
まず、赤外線センサーは、空気が赤外線を放出しない波長領域を感知するものが使用されているため、センサーとの間の空気の温度の影響は受けません。
しかし、額は常に外気にさらされており、気温の影響を受けます。
寒い環境では、実際の体温より低く、暑い環境では高い検査結果が出ます。
対して弊社製品「スキャナーボックス」は、環境温度が16~40℃の間では、測定した値と実際の体温の差異を、別に測定した環境温度から推定して自動で補正をかけます。
したがって、自動補正機能を持たない非接触赤外線温度測定製品に対して、はるかに正確な検温ができます。

※寒い場所で額が冷えた状態や、直射日光下で額が熱くなった状態で16~40℃の測定可能な環境に来た直後の補正をすることはできません。
これらの場合は、表面温度が安定するまで数分待つ必要があります。

ハイコストパフォーマンス

普及している1万円前後の手動で補正値を設定するタイプの固定式非接触赤外線体温計に対して高価格になりますが、補正値の推定や入力の手間が要らない、温度が変化しても追従して対応が出来る点などからも高いコストパフォーマンスがあります。
また、種々の補正が可能なサーモグラフィ装置に比べ、リーズナブルな価格になっています。

おすすめの用途

あくまで簡易的な発熱者のスクリーニングが目的で環境温度の影響は無視しても価格を抑えるため、自動で補正を行う製品は多くありません。
「スキャナーボックス」は環境温度の影響を受けないため、一般のスクリーニングの精度を高めたい場合のほか、特に医療機関や介護施設など発熱者を見逃すことがリスクになる施設での使用を推奨します。