X線フィルムのメリット
デジタルデンティストリーが大きな潮流となっており、デジタルX線撮影には下記のメリットがあります。
■デジタルX線撮像素子のメリット
・撮影時の被ばく量が少ない
・現像が不要のため撮影した画像をすぐに確認できる
・データ保管のため撮影画像が安定して保管できる
・現像液などの廃棄物を出さなので環境にやさしい
しかし、すべての歯科医院で導入されているわけではありません。
患者にモニターで説明するときに若干の先進性がアピールできる程度で、目に見える患者の満足度向上にはつながりませんし、下記に挙げられるX線フィルムの特長により、上記のメリットは初期費用の割に大きくありません。
■X線フィルムの特色
・撮影時の被ばく量は健康に問題が起きるレベルではない
・明室処理で簡単に現像、洗浄、乾燥ができるため、数分で完了する
・カルテに添付して物理的に保存できるなどの利便性があるうえ、データが消えるリスクが無い
・パケットに注入する微量の現像液だけで廃棄物は最小
・高解像のものもあるが、一般のIPデジタル画像は300dpi、600dpiでセンサーの特性によってはノイズが入ることがある。これに対してX線フィルムは、500から1500万dpi相当の高解像で、特に細かいディテールを明瞭に映し出すため、微細な病変の検出に優れている。
・導入コストが比較的低く、フィルム自体の価格も安価。初期投資を抑えつつ、一定の品質を確保できる。
・デジタル撮像素子は、機器の操作にITのスキルが必要であり、またソフトウェアの管理やメンテナンスのスキルも必要だが、フィルムは、取り扱いが簡単で、特別な技術や知識がなくても使用できる。
したがって、新規に開院する場合、後継者がいない場合などではX線撮影関連の装置導入の負荷が少ないに越したことはありません。
一方、アナログX線撮影装置は中古市場がにぎわっており、程度の良い機器を安価に入手することができますので、開院時の費用を他の設備に振り向けたい場合などに有効です。
また、無理にデジタル化を望まない歯科医院では、従来の設備を使い続けることができます。
デジタルデンティストリーが進む中で、X線フィルムの供給に不安を覚える方も多いと思いますが、世界の多数の歯科医院でX線フィルムが使用されており、素材自体はKodak、富士フイルムなどが生産を継続しています。
弊社歯科用X線フィルムの特長
弊社の口内法撮影用パケット製品は、
① ISO感度Fの高速X線フィルムを使用(露光時間=被ばく量は感度Dの1/2)
② 常温、明室で現像後、2分洗浄、乾燥の短時間で処理が可能
③ 先鋭度の劣化が起きないノンクリーンタイプ
以上から、弊社の歯科口内法X線フィルムをお勧めします。
使い方
① パケットを口内法撮影補助具に装着し、患者の歯越しにX線を露光します。
② 現像液(汎用可)をシリンジでパケットに注入します。
③ 約45秒間パケットを揉んで現像液を攪拌します。
④ パケットを引き割きフィルムを取り出します。
⑤ フィルムを2分間流水で水洗後、自然乾燥します。